世界中の人たちが、よりよい未来を願い、最善を尽くしているのに、なぜ世界から対立や暴力がなくならないのでしょうか?世界では戦争が起き、組織の中では対立が後を絶たず、親密な家族やパートナーとも日々絶え間ない対立が続いている根本的な要因は何でしょう?
本講座は、この対立の根本的要因へ直接アプローチし、対立を創造への可能性に変える実践の場です。
規模は違えど、それぞれのレイヤーで起きている対立や葛藤は、実すべてが同じ源から来ています。
それは、ひとりひとりに刻まれた「何が正しく・何が間違っているか」という評価判断から生じる、自他を裁く思考パターンのループにあります。
この思考パターンは、数千年の時をかけて、経済、教育、法律制度などの社会システムの隅々にまで浸透し、家庭、組織、社会の秩序を保って発展してきました。一方、この「評価・判断」という社会システムのマネジメントに不可欠とされてきた要素こそが、個の尊重を蔑ろにした構造的暴力の源にもなりうるのです。
このシステムにおける構造的な柵(しがらみ)から抜け出し、個人や社会から対立や暴力をなくすための鍵は、システムを変える前に、自分自身の内面に向き合うことが不可欠です。
自身のセルフアウェアネスを高め、自らの「心から望むこと」を源に行動していく。そして同様に、相手にも本当の望みにしたがって生きて欲しいと願うことを、新たなパラダイムとして、社会システムにフィードバックしていくことです。
自分自身の内面の探究(I)からスタートして、他者の内面(You)も同様に探究し、感情・感覚レベルで共感を育むことこそ、外側に出現している対立構造を根本から変容し、より複雑な問題に対して多様性を尊重しながら創造的に問題を解決することを可能にする、コラボレーション時代におけるリーダーシップの不可欠なメタスキル。
社会の構造変革、システムや組織変革、あるいは身近な家族やパートナーシップの問題に対して、対処療法ではなく根本からの変容を望んでいる方を対象とした実践的なNVC講座が始まります。
今回の講師は、日本に6名しかいないNVC認定トレーナーである今井麻希子さんをお迎えします。今井さんは、NVCに加えて、コーチング、プロセスワーク、発達理論、システム思考などの様々な手法を組み合わせながら、ビジネス、ソーシャル、個人間での実践で幅広く活躍する貴重な存在です。
NVCの型を身につけ、共感的スキルを高めることは素晴らしいことです。しかし、それだけでは現実社会の厳しい壁を越えられないことも多々あります。本講座は「NVCを学ぶ」のではなく「NVC精神をBeingとしてインストールし、システムの問題を創造的に解決する」ことを目的として構成されています。